住宅塗り替え用の塗料には、大きく分けて4種類があります。
「屋根用塗料」「外壁用塗料」「木部用塗料」そして「鉄部用塗料」です。
それぞれの塗料はさらに多くの種類に分かれていますし、メーカーもたくさんありますからそれはそれは大変な数に上ります。
私達はその全てを使用したことはありませんが、様々な状況に応じてメーカーや材料屋に問い合わせたり相談したりして決めることになります。
お客様の最大の関心事は、やはり価格と耐用年数だと思われます。
しかしこれがまた、なかなかひと口で答えようのない難しい質問なのです。
塗膜を傷める要素は、主に日光と雨・・・つまり紫外線と湿気ということになるのですが、もうひとつの要素に素材そのものの問題があります。
理屈っぽい話になりますが、外壁にしても木部・鉄部にしても、温度や湿度による素材自体の伸縮や腐食の進んでしまった素材などが挙げられます。
一軒の住宅を例に上げれば、東西南北・各面の違いや雨の当たる当たらない、また湿気の多い場所と風通しの良い場所などなど・・・
それぞれの条件により、塗料の傷み具合が大きく違うのです。
ですから同じように塗装をしても、日の当たる箇所と腐食の進んでしまった箇所は早く傷んでしまうのです。
耐候性が良く高品質の塗料は値段も高く、二液タイプの塗料などは混合比を正確に計って使わなければならず、また一度混合した塗料は可使時間も限られてしまうなどで作業性も悪くなりますから、塗装単価も上がります。
新しい塗料の溶剤が古い塗膜を柔らかくしてしまい、新しい塗料が乾燥する時に古い塗膜を浮き上がらせてしまうことなどもあります。
予算が許される範囲でなるべく高品質の塗料を使いたいところですが、素材や傷み具合い、また古い塗膜の種類などを見極めた上で選ばなければなりません。
この判断こそが正に「プロの目」ということになるのではないでしょうか。