松本比呂-作詞作曲家・シンガー- エッセイ「若いって素晴らしい〜!」

若いって素晴らしい~!

自由が丘には沢山の飲食店があるのだが、不況が続く日本。
この自由が丘という激選区で生き残るには少しの気の弛みも許されない厳しさがある。
ちょっとでも接客に対して気を許すと容赦なくお店が入れ代わることになる。普通の接客では許されないレベルの高さである。
何年もこの街で外食をしているのだが本当にお店が入れ代わるのが早い。
その中で、生き残る店や、はやっている店にはひとつの共通点がある。
味のレベルは勿論。なんといっても接客レベルの高さである。(それと何といってもトイレがすごく綺麗である!)

お気に入りの店が3件あるのだが、特にここの店員さんはみな20代から30代にかけての人が多く、男女問わず、実に実に感じのいい接客なのである。
どんなに混んでいても、また地震があって閑古鳥が鳴いていた日も、その場における自分なりの親しみと適度な距離感を保った望ましい対応をしてくれるのである。
3度目にそのお店にいった段階で、「いつもありがとうございます!」なんて満面の笑顔で言われた日は、このイケてるお兄さんは、もしかして私に惚れているのでは....?などという恐ろしい勘違いをしてしまいそうになるし、水を大量に飲む(?)私がお水のお変わりが欲しいな~と思うより早く、目もとパッチリの化粧崩れなどなさそうな若いお姉さんが、さっと新しい氷入りのお水を持ってきてくれて、「ごゆっくりしてください。」などどかわいく言ってくれたりして。
そんな時は、ひゃ~。かわいいな~と中年のおじさんのような気持ちでポーと見てしまうのである。

先日、軽井沢にいったのだが、ここでも若い女性がコック姿でひたすらピザをつくっていたのだが帰り際レジで美味しかったです~と言った時に、それが聞こえたようでガラス張りのピザ室?(要はピザ生地をこねて焼いてるところっていうか...)からでてくると、輝く笑顔で是非またきて下さい!と深々と頭を下げて見送ってくれたのである。
この時はお盆休みの後半といえども結構混んでいたのにである。
他の店員さんも若い女性が中心ですごくテキパキと笑顔で働いていた。
お客さんはお店に入ってきた時は皆一様に渋滞と空腹で不機嫌な顔で入ってくるのに帰りはどこかやさしい顔になって帰っていくのも印象に残った。
さすがここ軽井沢も接客業は厳しい場所なんだな~と感じたのである。

この人たちの共通点は仕事を楽しんでいることに見える。
勿論疲れるだろうが、お店に強制されてあんな笑顔や雰囲気はでないから、やはり自分なりに働く意義を見い出しているだろう。
その強さの源は若くて元気だからという要因が多い。勿論若くても文句ばかり言って働かないのもいるので、異論も出ようが、でも体力があるといのは武器なのである。なによりもすがすがしいのである。
あと一言多く無いのもポイントである。(接客を長くやっているベテランの方は、ちょっと踏み込んだ一言が多いことがある。出逢ったばかりでも馴れ馴れしいのは接客の距離感に対する感性の問題だと思う)

自分の20代を思い起こしてもこんなに生き生きと働いてはいなかった。特にバイトの時は文句ばっかりいってて楽しようとしていた。(自分で書いててかなり哀しいものがあるけど.....)

自分も今は人と接する仕事をしているので、このコストパフォーマンスの高い若い人達に(ええ!あえていいますよ。あたしゃ!)に触れると、よ~し。この人たちよりも年とってるんだから(注 で、でもすごい年上って訳じゃ......。)、もっと笑顔でもっと高い意識で頑張らないと、あんたいらないよって言われちゃうな~と気が引き締まるのでありまする。

written by Hiro Matsumoto in 2005.09 (esssay No.05)

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