オートローテーション

オートローテーションの訓練は欠かせない訓練である。
しかしここにも危険を回避しなければならない要素がある。
これは誰もが感じることであろうと思う。オートローテーションに入り速度維持、姿勢維持、ローターRPM維持をし最後にフレアーをかける。メインローターに回転を増加させる。
風圧がローター全体にかかるため回転数は一気にあがろうとする。これはまずいのでコレクティブをかなりあげる。問題はこのあとである。
フレアーから姿勢を水平にもどしエンジンの回転を上げるためスロットルをツイストさせオープンさせる。このとき必ず(高い確率で)LOW RPMが発生するしている。スピードのある操作をおこなわないとフレアーの時のブレードの迎角が多少増加しているためブレードのドラッグが発生するのと速度を失っているため急激にブレードのイナーシャを失う。

多くの要因があるがフレアー後水平に戻したときのローターの回転数の低下にエンジン回転数のリカバーが追いついていかないことが多い。

”ピー”というけたたましい音とともに回転数はみるみる低下して行く。このときの対処ができなければならない。またこの事実がわかっていなければ単独飛行は行ってはいけないのかもしれない。
わたしも某氏にいわれ何の気無しにおこなっていたが、すこし考えてしまったのこれもひとつの危険予測項目のひとつではないかと考える。
簡単なことであるがMAIN ROTER RPMを押さえるためにピッチをかなりあげ迎角を大きくしている。急激にローター回転数が下がるとR22の場合ローターのイナーシャが小さいつまり軽いブレードのため急激に回転数が低下する。
このままコレクティブの角度つまりピッチをあげていてはブレードのドラッグが強すぎて非力なエンジンではドライブできないものと思われる。
(馬力さえあれば良いというものでもないとおもう。ベルトやヨーク
フレックスカップリングに過度の力がかかる可能性がある)しからばどう対処するか?
私の類推ではこれが正しいのではないかと思う。(研究されている方はメールでもください)

フレアー、コレクティブピッチ少し上げ、姿勢水平にもどす、コレクティブ少しダウン、エンジン回転アップ(スロットルオープン)、コレクティブアップ。

またはフレアー、コレクティブ少し上げ、速度ゼロ、回転数アップ100%、姿勢戻す。

地上では回転数上昇と地面効果でバルーンを起こすので先に回転数を上げる必要はないのかもしれない。

このときローターの回転が下がってしまったことに気がついた場合、注意すべきポイントはコレクティブ少しダウンである。
ほんの一瞬ダウンさせることによりブレードのドラッグは軽減される。つまりLOW RPM時の対処そのものであるが。操作が連続すると人は必ずミスをする。

日本でオートロの訓練を行うときは高度を下げられるような場所がないためほとんどの場合高高度での仮フレアーとなっていると思う。
地上近くではもちろん上記操作は一瞬である。

多分本来実際にエンジンの回転が止まったときは着陸可能な場所、無人の場所、へ機体を引っ張って行くことに全力をそそがなければならないのであろうし悠長なことは言っていられない。
あくまでも機体にやさしく練習をするときだけの問題だ。
ある人が言うには最後に電線の一本ぐらい切っても仕方ががない。地上の生活者の安全と搭乗者の救出を考え機体の破壊は覚悟であると。

一人では出来にくいがキャブヒートの上げ下げは忘れては行けない。
もし一人でオートロを行うことがあるのならキャブヒートは常に50%から80%使っておくべきだろう。もしフレアーでアイシングによりエンストしたらそのときはデッドマンズカーブ内に機体の状態が入っている可能性が高く安全に着地することは不可能であることも忘れてはいけないだろう。
つまりオートトロは気軽にやっているが危険がいっぱいだということである。