2010年2月7日 昼の部 (歌舞伎座)
ちょっと遅れました。でも1階の桟敷席で贅沢しました。
「爪王(つめおう)」
(飛ばし)
「俊寛(しゅんかん)」
絶海の孤島、鬼界ケ島に流罪となった俊寛僧都(勘三郎)、平判官康頼(扇雀)、
丹波少将成経(勘太郎)は、流人の生活に疲れ果てています。そんな俊寛達を
喜ばせたのは、成経が島の海女の千鳥(七之助)と夫婦になったこと。
一同は二人の祝言を始め、日頃の憂さを忘れるのでした。
ここへ都からの赦免船が到着し、上使の瀬尾兼康(左團次)が康頼と成経の赦免を
告げます。俊寛は自らの名がないことに落胆しますが、もう一人の上使、
丹左衛門(梅玉)から赦免が告げられ、晴れて揃って乗船へ。しかし、瀬尾は千鳥の
同道を許さず、俊寛に妻の東屋を清盛の命に背いたために自らが斬った事を告げます。
悲嘆に暮れる千鳥を船に乗せてほしいと俊寛は瀬尾に頼みますが許されないため
刀を奪って瀬尾を斬り捨てます。その咎で再び流人となった俊寛は、自分の代わりに
千鳥を船に乗せ、遠ざかって行く船を独り見送るのでした。
十七代目勘三郎が最後の舞台でも演じた所縁の役を当代勘三郎が勤めます。
「十七代目中村勘三郎二十三回忌追善 口上(こうじょう)」
戦後の歌舞伎を代表する名優の一人で、立役、女方を問わず幅広い役を演じた
十七代目勘三郎を偲び、芝翫、勘三郎をはじめ、故人所縁の幹部俳優が
追善口上を述べる一幕です。
「ぢいさんばあさん」
江戸番町、美濃部伊織(仁左衛門)と妻るん(玉三郎)は、評判のおしどり夫婦。
ところが、伊織は喧嘩で負傷したるんの弟、宮重久右衛門(翫雀)に代わり、
京で一年間、二条城在番を勤めなければならなくなります。伊織とるんは
庭の桜を眺めて名残を惜しみ、翌年の桜時の再会を誓うのでした。
それから三ヶ月後の京、伊織が同役の友人ら(秀調、右之助、市蔵、桂三)を
招いて、買い求めた古刀のお披露目の宴を催していると、酒に酔った同輩の
下嶋甚右衛門(勘三郎)が現れます。実は、古刀を買い求める代金が足りず、
下嶋に金を借りたのですが、伊織は下嶋を宴に招いていなかったのでした。
それを恨んだ下嶋は伊織を罵倒しはじめ、じっと耐えていた伊織でしたが、
足蹴にされて遂に斬りつけます。下嶋は階下に落ち、命を落としてしまいます。
それから三十七年が経ちました。伊織は犯した罪の為にるんと離れ離れに
なっていましたが、ようやく赦されます。久右衛門の子息、宮重久弥(橋之助)と
その妻のきく(孝太郎)の配慮もあって、伊織とるんは番町の旧宅で再会する
こととなり......。夫婦の情愛が感動的な名作です。
カンゲキ日記へ戻る