「八月大歌舞伎」


2004年8月24日 夜の部(歌舞伎座)

 

通し狂言「東海道四谷怪談」

 序幕 浅草観世音額堂の場より 大詰 仇討の場まで

御家断絶の騒動に紛れて、御用金を盗んだ民谷伊右衛門(橋之助)は、妻のお岩(勘九郎)の父で、
同じ家中の四谷左門にそれを知られ、お岩と引き離されたことを恨んで、左門を殺してしまいます。
一方、お岩の妹お袖(福助)に横恋慕する下僕の直助権兵衛(三津五郎)は、お袖の許嫁の佐藤与茂七
(勘九郎)を殺害。伊右衛門と直助は、互いにその事実を知ったうえで、犯人を知らないお岩お袖の姉妹を騙し、
敵を討ってやると約束します。伊右衛門のもとに戻り、男の子を産んだお岩は、産後の肥立ちが悪いため、
隣家の伊藤喜兵衛宅から見舞いに届けられた薬を飲みますが、にわかに顔面を押さえ苦しみ出します。
これは、喜兵衛の孫娘お梅(七之助)と伊右衛門を添わせるために、じゃまなお岩の顔を醜くして
夫婦別れをさせようという、喜兵衛の策略でした。伊右衛門も、お岩の世話をする按摩宅悦(弥十郎)に、
無理矢理お岩に不義を仕掛けるよう指示するなど、完全に心変わり。宅悦の口からすべてを聞いたお岩は、
伊藤家へ乗り込もうと身なりをととのえる最中に誤ってのどを切り、絶命します。
伊右衛門は民谷家の秘薬を盗んだ小仏小平(勘九郎)を殺して、お岩の死体と背中合わせに一枚の戸板に打ち付け、
川に流すと、すぐにお梅の輿入れを迎えますが、そこにはすでに、お岩の霊が・・・。
人間の業を赤裸々に描いた、怪談物の最高傑作。抒情的な独吟の中でお岩の怨嗟ぶりを見せる「髪梳き」や、
「戸板返し」「提灯抜け」の仕掛けなど、見せ場に事欠かず、三役をつとめる勘九郎に直助の三津五郎以下、
定評ある配役でお送りします。

 


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