アテルイ

2002年8月17日 (新橋演舞場)

日の国若き時、その東の夷(ひな)に蝦夷(えみし)あり。
彼ら野に在りて、未だ王化に染(したが)はず。
山を駆けること禽(とり)の如く、草を走ること獣の如し。
かの長の名は阿弖流為(アテルイ)。
帝、これを悪路王と呼び、
邪しき神、姦(かだま)しき鬼と怖れたり。
 

とはじまる劇である。堤真一と市川染五郎(堤さんはもちろん、染五郎も見直すくらいよかった)
が舞台狭しと暴れまくる。席が2本ある花道の1本の真横だったので、どやどやと走り抜けるのも
ものすごく体感できた。

ストーリーは、高橋克彦「火怨」とほぼ同内容で、エミシ侵略を狙う大和朝廷からエミシを守るアテルイと
彼に共感し大和朝廷に疑問を抱きながらも、その尖兵としてアテルイと戦う田村麻呂。と、大和朝廷=天皇を
征服者としていた。

にしても、帝たる桓武天皇を悪霊の如く扱い(そのものズバリ言わずにほのめかしだったが)、
征服者たる大和朝廷を悪の権化のように扱う(平安遷都による民衆負担増への不満をエミシ討伐という
外患に目を向けさせるという、どこかの国のよう…というより昔からやってることは変わらない)という
話がここまで堂々と上演できることはいいことだ。

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